冬瓜は、夏が旬の野菜です。
95%が水分でできていて、スイカのように膨らんだキュウリ、というところでしょうか。
なぜ夏の野菜なのに、冬の瓜っていう名前??て思いますよね。
それは、冷暗所で保管すれば冬まで保存できる、というところから、
「冬瓜」という名前が付いたと言われています。
好きな人は、生でサラダのように食べるようですが、
たいていは煮物などにして、やわらかい食感を味わっているのではないでしょうか。
冬瓜は大きいので、ドーンと丸ごと1個いただいたりすると、なかなか食べきれないものです。
そのままの状態では、冬まで保存ができると言われるほどの冬瓜ですが、
冬瓜を煮物にした場合、どれぐらい日持ちするのでしょうか。
実は、冬瓜の煮物は冷蔵庫で2日~3日と意外にも足が早いのです。
じゃあ、2~3日で食べきれなかったものはどうしよう・・・。
95%が水分。そんな野菜、冷凍には向かないでしょ?
いいえ、冬瓜の煮物も、美味しさを損なわずに冷凍保存ができます!
冷凍庫で3週間~1か月、冷凍保存が可能です。
おいしさを保つには、冷凍と解凍の仕方にポイントがあります。
オススメの冬瓜の煮物レシピと合わせてご紹介していきますね!
冬瓜の煮物、冷凍&解凍のコツ
冬瓜に限らず、煮物類を冷凍保存するとき、
なるべく急速冷凍することが美味しさを保つ秘訣です。
急速冷凍するためのポイントは次の2点です。
- ジップロックなどに入れて空気をぬき密封する。
- 早く凍るように少量ずつ小分けにする。
急速冷凍に失敗した食材は、ぐしゃっとなったり、スカスカになったりします。
私もよく失敗するのですが、原因は冷凍のメカニズムにあります。
冷凍すると、食べ物の中の水分が氷になって全体が凍ります。
水が氷になるときに結晶ができますが、この結晶ができる温度は決まっています。
結晶ができる温度帯は-1℃から-5℃ です。
私はこれを「ゴールデン温度帯」と呼んでいます。
ゴールデン温度帯を速いスピードで通過したとき → 結晶の大きさが小さくなります。
ゴールデン温度帯をゆっくり時間をかけて通過したとき → 結晶の大きさが大きくなります。
結晶の大きさが大きくなると、その分、まわりの細胞組織を破壊してしまいます。
破壊された部分は、氷の結晶が解けてなくなったとき、空洞になります。
この組織が破壊された空洞が、やわらかくなったりスカスカになったりする原因なんです。
でも、この空洞も悪いことばかりではありません。
煮物などの味をつけた料理は、冷凍すると味がよく染み込む、というメリットもあるのです。
解凍したときに空洞の部分まで調味料が入り込むため、味がよく染み込むというわけですね。
それから、解凍するときにもポイントがあります。
次の2種類の解凍方法がおススメです。
- 凍ったまま鍋に入れて一気に加熱する。
- 冷蔵庫内か、氷水につけて解凍する。
解凍の際は、食中毒にお気をつけください!
常温(5℃~25℃)で解凍することは、菌の繁殖にとって格好の環境になってしまいます。
常温での解凍は避けましょう。
そして、冷凍のときと同じく、ゴールデン温度帯を速く通過するのがポイントです。
ゴールデン温度帯に長くとどまっていると、一度解けた水分が再び凍ることがあります。
そうすると、周辺組織にさらにダメージを与えるので、食感が悪くおいしくなくなってしまうというわけですね。
凍ったまま加熱調理することもOK!
ゴールデン温度帯を素早く通過し、さらに菌の繁殖が活発になる5℃~25℃も素早く通過するので、安全においしさを保つことができますよ。
冬瓜の煮物をたくさん作る時は、冷凍保存することを見越して、
すこし薄味で、すこし固めに仕上げるのも、上級者テクニックですね。
冷凍によって自然にやわらかくなり、解凍したときには味が染みて美味しく召し上がれますよ。
冬瓜の煮物アレンジ、人気レシピ3選!
冬瓜の煮物が、他の野菜の煮物とあきらかに違う点があります。
それは、「冷やしても美味しい」ということです。
冬瓜が夏の野菜である宿命とでもいいましょうか。冷たいメニューがよく似合うんです!!
それでは、冷たい冬瓜の煮物の人気レシピを3つご紹介します。
冷たい冬瓜と鶏のとろとろ煮物
夏は暑くて食欲が落ちてしまいますよね。
でも、そんなときでも口どおりが良いので食べやすく、鶏肉のたんぱく質や冬瓜のミネラルをしっかり摂れるので夏バテ防止にぴったりです!
冬瓜とエビの冷やし鉢
エビの赤色とオクラの緑色がとても綺麗な一品です。
エビと冬瓜の相性って抜群なんです。
だしをよく吸った冬瓜は、年配の方にも好まれる優しいメニューですね。
冬瓜のツナ煮
忙しい主婦にはぴったり!手軽な材料だけで簡単に作れるメニューです。
ツナとコーンなら、小さい子供でも喜んで食べてくれそうです。
まとめ
冬瓜の煮物は足がはやく、冷蔵庫内でも2~3日程度。
大量に冬瓜の煮物を作ったときは、急速冷凍することによって、美味しさを保ったまま保存することができましたね。
冷凍と解凍のコツは、メカニズムを理解していれば、冬瓜の煮物以外でも、ほとんどのメニュー、ほとんどの食材で対応できる方法ですので、ぜひお試しください。