アルバイトをいくつか掛け持ちしている大学生や、会社勤めの傍ら副業でバイトをしたい会社員。
あまり詳しくない人でも、労働基準法の「一日8時間週に40時間」というフレーズは知っているのではないでしょうか。
では、副業やバイトなど働く時間を増やしたいとき。
掛け持ちしていることは職場・バイト先に申告しないといけない?
職場に黙って掛け持ちして一日8時間以上働いていることは違反?
バイトの掛け持ちは職場にバレるのでしょうか?
まず、副業すること自体は、法律で禁止されてはいません。
「副業・Wワーク・アルバイトの禁止」は
その企業ごとのルール(社内規定)です。
会社の規則がOKなのであれば、きちんと申告して掛け持ちすることをおススメします。
なぜなら、どうせバレるからです。
「1日8時間以上働いている」など時間に関しては、心配無用です。
今まで通りの勤務態度で、SNSなどでの言動を注意すればその点はバレないでしょう。
ただ、他に収入源があることは、いずれバレるでしょう。
バイトの掛け持ちがバレる要因は「住民税」です。
以下、詳しくお伝えしていきます。
Wワークの労働時間 週40時間以上バレない。収入は住民税等でバレる
では、なぜ住民税で掛け持ちがバレるのかを説明します。
コンスタントに1日8時間、週に40時間程度働いて給料をもらっていた場合、
たいてい年収は100万を超えますから、住民税を払わなければなりません。
住民税はお住まいの自治体によって異なりますが、93万~100万を超えると課税対象になると考えておけば間違いないでしょう。
多くの企業では、雇用主が従業員に支払った給料を市町村役場に申告しています。
そして役場が住民税を計算して企業に請求します。
その請求を元に、給料から税金が天引きされて、残りが私たちに支払われています。
では、2つの会社でアルバイトをした場合、
住民税の請求がくるのはどちらの会社でしょうか?
答えは
メインとなる収入を得ている会社に住民税の請求がいく
です。
会社員の場合はもちろん、本業のお給料から住民税が天引きされていますよね。
このため、メインとなる収入源の給料が変わっていないのに
住民税の額に大きな変化がある場合
この人は他にも収入源があるらしい。
すぐにわかってしまうというわけです。
▼住民税やマイナンバーで無職や職歴はバレる?こちらも合わせてどうぞ。
副業やバイト掛け持ちで8時間以上。これ以上働いてはいけない基準ではない
じゃあ「一日8時間、週40時間」ルールはどうなるんだ?
という疑問が残りますよね。
これは、残業代の請求にかかわるときの基準で、
これ以上働いてはいけません、という基準ではありません。
これ以上働いた場合は雇用主に残業代を請求できる、ということです。
もし、あなたが週に40時間以上働いた場合は、雇用主は残業代を払う義務があります。
残業代イコール割増料金、ですね。
そして、
と労働基準法に定められています。
これは原則です。
ただし、企業によっては繁忙期などがありますので、36協定の特別条項というものもあります。
- 年720時間以内(月平均60時間)
- 2~6か月平均80時間以内
- 単月100時間未満
- 月45時間超えは年6回まで
特別条項付きで36協定を結んだ会社であれば、月に60時間働いても、残業代を支払っていれば問題ありません。
これが法律上の、「これ以上働いてはいけません」という時間の基準になります。
ですので、職場に黙って掛け持ちして
合算した勤務時間が一日8時間以上になること(※労働時間の通算)を黙っていたとしても、
あなたに直接的な問題があるというわけではありません。
掛け持ちしていることを職場に申告しているにも関わらず、雇用主が適切に労働時間管理をしなかった場合など、雇用先に問題があるということです。
詳しくは厚生労働省の通達を確認してみましょう。
Wワーク 労働時間の通算は「自己申告」バイト掛け持ちで残業代もらえる?
副業や掛け持ちなどWワークしていることは
労働者→職場に自己申告する流れになります。
副業・兼業の確認方法
使用者は、労働者からの申告等により、副業・兼業の有無・内容を確認する。
では、バイト掛け持ちで合算した労働時間が8時間を超える場合、残業代を請求することは可能でしょうか?
先ほどご紹介した「厚生労働省の通達」によると、労働者であるあなたが副業の事実を申告することで、
本業元または副業先が36協定に基づき残業代を支払うこととなります。
しかし現状は、実態が追いついていません。
労働時間の通算など副業における労基法の解釈が、現場や経営者側にて浸透していないこと、
副業における合算した労働時間管理など雇用側の制度が整っていないこと、
そもそも日本の雇用ではサービス残業の悪習も根強いことなどから
正当な対応を受けられる可能性は低いのが実態です。
Wワークやバイト掛け持ち 確定申告はいくらから?
アルバイトだとしても、所得が103万を超えると、所得税を納めなければなりません。
学生の場合は学生勤労控除があり、130万を超えると課税対象になります。
たいていの場合は、アルバイト先の会社が毎月の給与から所得税を天引きしてくれるので、自分で確定申告をする必要はありません。
しかし、Wワークでかけもちしている場合は、自分で確定申告が必要になる場合があるので注意が必要です。
Wワークで少ない方の収入が年間20万円を超えている場合は確定申告が必要だと思っていて間違いないでしょう。
掛け持ちしている2つのアルバイト収入が少ない方、
ウーバーイーツなど個人事業主・フリーランスの方は特に注意が必要です。
それぞれのバイト先の収入が少なくお給料から税金が天引きされていなかったり、給与所得ではなく報酬として受け取っている場合は、確定申告が必須となるケースが多いです。
もし、確定申告が必要なのに何もしないと、
税務調査が入り大きなペナルティを受けることになります。
学生アルバイトの場合は、少ない方の収入が20万以上あり、かつ、合計で130万の所得があった場合は確定申告が必要です。
例えばA社100万とB社30万だった場合は、A社では給料天引きしてもらい、残りのB社分を自分で確定申告する、という形になります。
バイトWワーク確定申告しないとどうなる?なぜバレる?
もし、確定申告をしなかった場合はどうなるのでしょうか。
確定申告を期限内に行わなかった場合や、支払うべき税金を期限内に納付しなかった場合は、ペナルティがあります。
ペナルティには、加算税と延滞税の二種類があります。
「加算税」
→源泉徴収義務を怠った際に課せられます。確定申告を期限内に行わなかった場合(無申告)はこれにあたりますね。
「延滞税」
→ 加算税にプラスして、期限を守らなかったり、金額が不足していた場合に延滞税が課せられます。利息と考えてよいです。
これは日数計算されるので、数日程度遅れる分にはたいした負担にはなりませんが、2ヶ月を超えると高金利になるので注意が必要です。
ときおり有名人が所得隠しで捕まるニュースがありますが、故意的に脱税をしようとすると、もちろん罰則があります。
脱税に対する罰則は「5年以下の懲役もしくは、500万円以下の罰金」となっています。
一般人でも、確定申告をすべき人が何もしなかった場合は、税務調査でバレます。
なぜバレるのかというと、
雇用先の会社では人件費を計上するため「いつ誰にいくら給料を支払ったか」を正しく申告しています。
お給料や報酬は「銀行振込」など金融機関を通すため、お金の動き・データまで全て税務署に筒抜けです。だからバレるのです。
副業やWワークだけでなく、
ヤフオクやメルカリで収益を得ている人も要注意です。
オンライン上の取引は、お金の動き〜取引内容まですべてデータに残ります。税務署にはバレバレと心得ておきましょう。
後から痛い目に遭うことのないよう、
正しい知識を持って正しく確定申告・納税しましょう。
▼住民税やマイナンバーで無職や職歴はバレる?こちらも合わせてどうぞ。
まとめ
いかがでしたか?
アルバイトを掛け持ちする場合は、それによって自分の収入がいくらぐらいになるのか、確定申告が必要かどうか、よく確認する必要があるのですね。
それから、掛け持ちやWワークはたいてい住民税でバレてしまうので、最初からきちんと職場に申告していたほうが良さそうです。