駅や公園などで大きな声で独り言を言っているお年寄りや、銀行などの窓口でやたらと大声で自己主張をしている高齢者の方。
なぜ、老人の声は大きくなってしまうのでしょう。
耳が遠いから?だけでは無いようです。
絶えず文句を言っていたり、公共の場でわがままを通そうとするのはなぜだろう、自分も高齢者になったらそんなふうになってしまうのだろうか…と私も疑問に感じていました。
そのような高齢者に対して、職場やプライベートでどのように対応するとよいのでしょうか。
老年期の身体や認知機能、ストレス環境などを調べると、
独り言がうるさい老人や
身内に横柄な態度をとる高齢者
頑固でわがままな態度の謎が解け
効果的な対処法も見えてきます。
独り言の内容によっては、認知症を疑わなくてはならない場合もありますが、
一般的に高齢者は、不安やストレスと戦っており
社会の中で人とかかわりたいという気持ちを持っておられます。
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子供も自立して、孫も遠方でなかなか会えない。
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昔はたくさんの部下をまとめていたのに、退職した今は誰からも頼りにされない。
誰かに必要とされる機会が減ってしまった高齢者は、社会から取り残されたような寂しい気持ちを抱えています。
その寂しさがうまく表現できずに
一見すると迷惑行為のような態度になってしまうのです。
そのような高齢者に対してどのように接していけばよいか、みていきましょう。
わがまま・頑固・文句「かまってちゃん老人」無視は逆効果。
あからさまに独り言を言ったり、人の気をひこうとしたり、急に辞めますと言い出す…
恋愛や職場などでも「かまってちゃん」がいますよね?
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一般的に「かまってちゃん」は適度にあしらって適度に無視をするのが良いですが、
相手がご年配の場合「かまってちゃん老人」に対しては同じ対応でよいのでしょうか?
高齢者の場合、無視することは逆効果です。
可能な限り「丁寧な対応」をするほうが、問題解決の近道です。
わがままになったり、頑固になって文句ばかり言うのは「高齢者ならではの理由」があるからです。
高齢者が「わがまま・頑固」になる理由。なぜ「独り言」が増える?
「老化」が進むと、まず短期記憶が衰えてしまいます。
そうすると、昔のことは覚えていても
新しい最近のことは、どうしても覚えられなくなります。
現代は時代のスピード・変化も激しく、若い人であっても最新ツールや情報についていけなかったりしますよね。
新しいことについていけない自分を「馬鹿にされた、見下された」と感じれば激しく動揺することでしょう。
高齢者であればなおさらです。
時代の進化・変化への適応力が落ちていることを受け入れられず
昔、成功していた頃のやり方に固執したり、頑固で意固地になってしまうのです。
また、独り言が増えるのにも理由があります。
自分の衰え、思うように動けない苛立ち、身近な人の死や、自分の死に対する不安など
老年期は、思った以上にストレスだらけです。
独り言をつぶやくことで、誰かに気にしてもらいたい…
暗に周りに助けを求めていたり、日々のストレスから心身を守ろうとしている場合もあるのです。
さらに、老化はストレス耐性も低下させます。
若い頃には乗り越えられた些細なストレスも
年を経るにつれなかなか乗り越えられなくなります。
文句を言ったり愚痴を言ったりすることで、心と体のバランスを図ろうとしているのですね。
高齢者に「丁寧な対応」をしたくても現実的にはできない。どうしたら?
このように、多くのストレスや不安とともにいる高齢者の背景をみていきました。
とはいえ、
接する側が「丁寧な対応」をするのが大事
そう頭ではわかっても、簡単にできるものではないですよね。
例えば、一緒に暮らしていたりすると
気持ちの余裕がないときもありますよね。
急いでいたりイライラして優しく対応できない時もあります。
当然だと思います!
個人の努力でなんとかするのは難しいことです。
いちいち言わなくても高齢者が理解してくれる仕組みを作ること。
まずここから試してみましょう。
一目瞭然!高齢者もわかりやすいカレンダーやマークを用意する
高齢者にもわかりやすい仕組みを作る。
例えば、
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今度病院で薬をもらうのはいつ?
同じことを何度も聞いてくるおばあちゃんに対して
何度も何度も「次は金曜日ですよ」と答えても、覚えてもらえないと、こちらがイライラしますよね。
こういうときは大きくてわかりやすいカレンダーを用意してあげるのがおススメです。
普通の市販のカレンダーは、視力の低下したおばあちゃんにはよく見えなかったりします。
カレンダーにメモしても、文字が小さくて見えないのです。
見えないとストレスですから、もう諦めて見ようとしなくなってしまいます。
また、白内障が進むと、明るい色がまぶしかったり色のコントラストもつきづらくなるそうです。
こういう場合、白黒反転させて黒地に白抜きの文字のほうが見やすい場合もあるのだとか。
キッチン道具にも「黒いまな板」や「黒しゃもじ」などあります。
白黒反転グッズは、弱視など視覚障害の方にも有効な方法なんだそうですよ。
そして、カレンダーには
目立つ「今日のマーク」を貼りましょう。
磁石・マグネットシートを貼るのも良いですし
「今日・今」がどこかわかるように
昨日までのマスを×印で消したり、シールを貼るのも有効です。
予定に関しても
簡単なイラスト化やマーク化をすると伝わりやすいですよ。
- お薬のマーク
- 通院のマーク
- デイサービスのマーク
など決めたアイコンで表示するようにします。
このような小さな工夫を積み重ねると
今まで何度も何度も答えていたのが
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おばあちゃん、このカレンダーに書いておいたからね。
一言で済んでしまうこともあるのです。
老人の困った行動・独り言が増えるのは認知症?
老人の困った独り言も「老化現象」のひとつとして捉えられることがわかりました。
しかし、なかには注意が必要な独り言もあります。
もし、誰もいないのに、常にだれかと話しているような独り言を言っている場合は、レビー小体型認知症の可能性があります。
また、突然怒り出したり、急に笑い出したりする場合も
老人性うつや統合失調症の可能性も考えられます。
高齢者の日々の様子を観察して、独り言の質に違和感を感じたら、早めに受診することをオススメします。
まさに目からウロコ!老人の困った行動・独り言への対処法『老人の取扱説明書』
日常的な高齢者の対応などに迷ったときに、すごくおススメの著書があります。
この本は、眼科医のお医者さんが書かれた本です。
老化の正体についてわかりやすく医学的背景に沿って解説してあります。
わたしも拝読したのですが
「目からウロコ」という表現がぴったりで、
高齢者の行動の謎がスッと解けたような気持ちになりました。
なかでも一番なるほどと思ったのが、
老化による聴力の低下の周波数内訳です。
老化によって耳が遠くなるのは知っていましたが
「高い音が聞こえなくて低い音は聞こえる」という事実は知りませんでした。
一般的に高齢者の介護をしているのは
娘さんやお嫁さんなど「女性が多い」ですよね。
お嫁さんが何度も何度も言っているのに、まるで知らん顔しているような様子でまったく聞こえていないおばあちゃんが、息子さんの言うことは一発で聞きとれる。
・・・という一見、義母の嫌がらせのような行動の理由も
「女性の高い声が聞き取れない」という医学的なエビデンスで説明できるのです。
今までは
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お義母さんは私の言うことだけ無視して聞こえないふりをするっ!
怒りがこみあげてきていたのが、
理由がわかったことで
声のトーンを落として低い声で
ゆっくり話しかけてみたらちゃんと反応してくれた。
改善された例が紹介されていました。
困った高齢者の行動に対する解決策もわかりやすく具体的に書かれています。
日常的に介護に関わっている人や、高齢者と暮らしている人は、ぜひ一読されることをおススメします!
まとめ
いかがでしたか?
小さな子供には小さな子供なりの、ストレス・気持ち・表現方法 があるのと同じで
高齢者には高齢者なりの、ストレス・感情・表現方法があるのですね。
私も「老人の取扱説明書」を読んでみるまでは、高齢者の謎行動に対して、疑問をもっていましたし、迷惑な行動としか感じていませんでした。
本当に目からウロコです。ぜひ、参考にしてみてくださいね。