テレビをつけっぱなしにしていて、
ふいに深夜帯のテレフォンショッピングを見てしまう事って結構ありますよね。
テレフォンショッピングって、とにかくわざとらしくて胡散臭い雰囲気にあふれています。
でも、なぜか見てしまうんですよね・・・・
実際に、深夜のテレフォンショッピングでの売り上げ値はかなり良いらしいです。
こ~んなに胡散臭いのに、
なぜ人はテレフォンショッピングを見てしまうんでしょうか?
そしてなぜ商品を買ってしまうんでしょうか?
わたし個人としては
テレフォンショッピングは、ひとつの芸、ひとつのエンタメだと捉えています。
商品を買う、買わないは二の次として、
テレフォンショッピングに登場する名キャラクター達は一種の漫才師で、
彼らの喋りは一種の芸なんですよね。
誰もが知っている「ジャパネットたかた」のたかた社長が良い例だと思います。
それから、筋書きがわかっていて決め台詞がわかっていても、
私たちは楽しんで見ることができますよね?
例えば、水戸黄門や戦隊ものとか、アンパンマンとか。
結末はわかっていても、みんな「待ってました。」と
決めゼリフを楽しみにしているものではありませんか?
それらの類と、テレフォンショッピングも同じではないか。
人って、わざとらしくて芝居がかったものが好きなんじゃないか。
・・・・というのが、私の見解ですが(笑)
それでは、わざとらしくて胡散臭い
テレフォンショッピングの売れる理由を見ていきましょう。
胡散臭く感じる理由はテレフォンショッピング「やらせ感」愛用者は本物?
商品の紹介のあとによく登場するのが、「愛用者の喜びの声」のようなコーナーです。
著名人が出演するものもあれば、
そういえば最近見ないな、と思っていたタレントや、
素人さんかな、と思うようなおばちゃんのコメントなんかもあります。
いいことばかりを言ってほめちぎっているのを見ると、
「やらせ感満載だな~」と感じることもあるのはないでしょうか?
この人たちのコメントは、本当に使用している感想なんでしょうか?
それとも愛用しているなんてウソで、ただの台本通りのお芝居なんでしょうか?
本当に愛用している人を探してくるのはけっこう大変なことです。
しかし、テレフォンショッピングでは、
みんな実際に商品を試してみた人の感想を撮っています。
では、どうやって使用者を探してくるのでしょう?
一番多いのは、
露出は多くないけど一応事務所に所属しているタレントさんを起用するパターンです。
収録の数か月前からお願いしてその商品を使用し続けてもらい、
その感想をカメラの前で話してもらうケースです。
「そもそもその商品を推しているわけではない人が、
仕事だから仕方なく一定期間使用する。」
ここがポイントです!
そういうとき、期待していなかったのに、
意外にも効果が現れたり、意外と自分にぴったりハマったりする場合があります。
そういう場合の「意外といいじゃん!」という生のコメントが、
一番リアルで説得力のあるコメントになるのです。
時には、著名なタレントさんのほうから、
「わたしはこれを〇年愛用してるので起用してください」
と申し入れがある場合もあるそうです。
そのぐらいの著名な方になると、出演料も高くなるので、
製作費と相談しながら起用するかどうかを決定するようです。
でも、最近では、そのような著名人の使用コメントより、
そのへんの素人のようなおばちゃんのコメントのほうが購買数値をあげてしまう、
といったこともあるそうですよ。
Youtubeの普及で、テレビの大物タレントよりも、
身近に感じるキャラクターの影響力のほうが強くなってきている、
という風潮の現れですね。
冒頭15秒が勝負!胡散臭いテレフォンショッピングで、なぜ売れる?
実際に売り上げの数値につながっているという、テレフォンショッピング。
その売れる理由はなんでしょうか?
理由はいくつかあります。
冒頭15秒で視聴者に共感する。
AIDMA(アイドマ)という、
人間の消費行動における心理プロセスがあります。
商品を知ってから購入するまでの気持ちの流れ、というわけです。
AIDMAの一番最初のA は、Attention(注意) のA です。
そして I は Interest(興味) の I です。
いかに冒頭で注意をひきつけ、興味を持たせるかがテレフォンショッピングの命です。
ここで視聴者をつかめるか、名MCといわれる人たちにかかっているのですね。
特に、ネガティブな訴求に共感することで、ぐっと視聴者を番組へ引き込みます。
例えば、「夜、寝つきが悪い」などの不快な気持ちに
「私も実はそうなんですよ~。ぐっすり眠った気になれなくてつらいですよね~」
などと共感することによって、視聴者の興味がぐっと引き寄せられるのです。
おすすめポイントはわかりやすい3点だけに絞る。
商品の中で、おすすめしたいポイントはたくさんあるのですが、
その中でも例えば「うまい。早い。安い」の3点だけに限定して
何度も繰り返しアピールします。
なぜなら、人間の短期記憶は15秒ぐらいしかないから。
15秒たつと、詳細な情報は忘れてしまいます。
その短期記憶を長期記憶の貯蔵庫に移すために必要な事は、
何度もリピートすることなんです。
要点を3つに絞って、うるさいぐらいに何度もアピールすると、
人間は嫌でも記憶に残ってしまうのです。
選挙中に立候補者の名前を何度も呼ぶのも理にかなっているのですね。
ドラマチックで印象的なストーリーに。
たいていテレビショッピングの番組の時間枠は短いです。
その限られた時間のなかで商品をアピールするためには、
いかに印象的なストーリーに仕立てて記憶に残りやすくするかがポイントです。
緻密な描写や詳細な内容は、ここでは一切要らないのです。
このドラマチック仕立てが、
わざとらしさや胡散臭さを助長しているといっても過言ではないのですが・・・。
でも、売り上げの数値にはつながるのですから、不思議ですよね。
まとめ
テレビショッピングの構成は意外にも、
AIDMA(アイドマ)という心理プロセスにのっとった、
戦略的なプログラムだということがわかりましたよね。
テレビショッピングを参考にして、
販売促進戦略を立てている企業も多いそうですよ。
「人は、わざとらしく芝居がかったものが好き」説も一理あると思うのですが、
あなたはいかがでしょうか?
また、深夜帯にテレフォンショッピングが放送される理由の一つに、
「深夜は人の判断能力が低下するから。」
という理由があるそうですよ。
まんまとひっかかって、無駄なものを買ってしまわないようにご注意くださいね。