テレビでスポーツを観戦していると、実況中継中にアナウンサーや出演者が「勝ち越し!!」など叫んだりしますよね。
勝ったんだなとは思いますが、勝ち越しってどういう意味なんでしょう。
例えば、野球で言うところの「勝ち越し」とは、相手チームよりも得点を多く挙げて試合をリードすることを指します。
試合の終了時点で相手チームに対して1点差で勝っている場合、それは「1点の勝ち越し」と呼ばれます。
勝ち越しを達成することは、試合を制するために重要です。
では、勝ち越しと逆転は何か違うのでしょうか?
野球や大相撲、サッカーやラグビーなどスポーツの種類によって「勝ち越し・負け越し」の使われ方が違うのかも気になります。
ここではそんな勝ち越しや逆転の意味について解説していきます!
甲子園や交流戦の勝ち越しとは?勝ち越しホームラン・勝ち越しタイムリーヒット って何?
勝ち越しや逆転の言葉が特に頻繁に使われるのが、野球です。テレビでプロ野球や甲子園を観ているとよく聞きますね。
まず、勝ち越しと逆転の意味を整理しましょう。
野球において、「勝ち越し」と「逆転」は似ているようでありながらも異なる概念です。
勝ち越し (Taking the Lead)
勝ち越しは、試合で相手チームよりも得点を多く挙げ、試合をリードすることを指します。
試合の途中で点差をつけて、その点差を守りながら勝利を目指すことが一般的です。
逆転 (Comeback)
逆転は、試合で相手チームに点差をつけられている状況から、後半のイニングや試合終了直前に点を挙げ、相手チームを逆転して勝利を収めることを指します。
逆転は一般的に、劣勢から優勢に転じる瞬間的な出来事を表します。
要するに、勝ち越しは試合をリードすることを指し、逆転は試合の途中で点差をひっくり返して勝つことを指します。
例えば、高校球児の「甲子園」で勝ち越しという言葉を使う場合を見てみましょう。
同点時や相手チームにリードされているところから逆転して「試合をリードしている状態」を意味するのが、勝ち越しです。
逆転は、勝ち越しをした結果「試合に勝った状態」を指す言葉です。
野球の勝ち越しホームラン・勝ち越しタイムリーヒットとは
では、野球の試合でよく使われる勝ち越しホームランや勝ち越しタイムリーヒットはどういう意味でしょう。
これは、試合をリードされている状態や同点時に、リードを奪う時の「攻撃」のことです。
逆転ホームランや逆転タイムリーヒットという言葉も、リードをされている状態に限定されるので、
逆転は広義の意味で勝ち越しに含まれている、ということになります。
プロ野球の交流戦で使われる「勝ち越し」の意味は?
また、プロ野球の交流戦など、大きなくくりで使われる「勝ち越し」もあります。
野球の「通算成績」や「対戦カード」における「勝ち越し」は、特定の球団または対戦相手に対して、一定期間内の試合で勝ち抜けることを意味します。
たとえば、ある球団が対戦相手のチームに対して3試合を戦い、その3試合すべてで勝利した場合、それは「勝ち越し」と呼ばれます。
全3試合のシリーズで2試合勝った場合も、勝ちが決定しますので「勝ち越し」と言います。
この成績情報は、球団や選手の対戦相手に対する実績を示す際に使用されます。通算成績や対戦カードの情報は、球団や選手の過去の対戦成績や実績を評価するのに役立ちます。
また交流戦の場合には、まとまって試合が行われますよね。
交流戦の中で優勝チームやMVPも決まるのですが、「交流戦勝ち越し」というのは、交流戦期間の中で勝った、という意味合いになります。
他にも、シーズン全体で「勝ち越し・負け越し」の言葉を使うことがあります。
例えば、勝ち越し3つなので「貯金3」
負け越し3つなので「借金3」
などといった使われ方をします。
これらは試合中に使う表現ではないので、「逆転」とは言いません。
大相撲の勝ち越し・負け越しとは?
相撲でも、勝ち越しの言葉は使われます。
大相撲の場合には、特に「勝ち越し」「負け越し」が重要になっています。
大相撲において、「勝ち越し」とは、力士が1つの相撲場所(大会)で、その大会において勝ち越すことを指します。
具体的には、15日間の大会で力士が8勝以上を挙げた場合、その力士は「勝ち越し」とみなされます。
逆に、8勝未満の場合は「負け越し」となります。
大相撲の本場所は、奇数月に15番勝負で行われます。15日間の大会期間中、力士は毎日1試合ずつ他の力士と対戦します。
勝利した場合、力士は1勝が加算され、敗北した場合は1敗が加算されます。
したがって、力士は大会終了までに8勝以上を挙げることが目標とされ、これを達成することで「勝ち越し」となり、力士としての評価が高まります。
関脇以下の幕内力士は、この勝負の勝ち越し負け越しの成績で「番付」が変動します。
厳密に言えば、それに加えて取り組みの内容なども総合的に判断されますが、勝ち続けなければ昇進はしていきません。
ただ大関になると、1回の負け越しですぐに番付が降格するわけではありません。
大関の場合には、2場所連続で負け越すと降格になるのですが、その2場所目のことを「角番」と言います。
このタイミングでの、勝ち越し負け越しには非常に注目が集まります。
サッカーの勝ち越しゴール・逆転ゴールの違い は?
サッカーでも「勝ち越しゴール・逆転ゴール」という言葉を使うことがあります。
サッカーの場合には、勝ち越しの言葉が使われるのは、ほぼ試合中のみです。
サッカーの場合には、ゴールが決まっても1点ずつしか点が入りません。
このため、サッカーでは勝ち越しゴールも逆転ゴールも同義として扱われます。
サッカーにおいて、「勝ち越し」という言葉は一般的にはあまり使用されません。
サッカーの試合結果は通常、「勝利」または「引き分け」、「敗北」と表現されます。
サッカーでは、試合のスコアに基づいてどちらが試合に勝ったか、または試合が引き分けに終わったかを判断します。
「勝ち越し」という言葉は、野球など他のスポーツで特に使用される用語であり、サッカーでは一般的な表現ではありません。
ラグビーでの勝ち越しの意味は、逆転とほぼ同義
ラグビーの試合でも勝ち越しの言葉が使われます。
ラグビーの場合は、敵陣のインゴールにボールでタッチを決めれば、トライで5点。
さらにコンバージョンキックが決まると追加で2点など、得点が複数点入ります。
攻撃が決まって相手のチームより得点が上回ると「勝ち越し」と言います。
なお、ラグビーにおける試合結果は、通常、「勝利」または「敗北」と表現されます。
ラグビーでは、試合のスコアに基づいてどちらが試合に勝ったかを判断します。得点が多いチームが勝者となります。
このように、勝ち越しや逆転の使われ方や意味合いは、スポーツや使われる場面によって違います。
まとめ
勝ち越しと逆転の言葉の意味は、ほぼ同じですがスポーツや場面によって多少異なります。
野球の場合には、試合中やカード、交流戦などで違います。
試合中の場合には状況によって勝ち越しや逆転が使い分けられ、逆転は勝ち越しの広義に含まれます。
カードや交流戦の場合には、試合数全体での勝ち越しなどとして使われます。
また大相撲では勝ち越し負け越しがより重要になりますし、サッカーでは試合中に使われることがほとんどです。