自分で希望して入った会社だとしても、退職や転職を考えることは誰にでもありますよね。
「自分のやりたい方向性と違っていた」「もっとスキルアップしたい」「働き方を変えたい」など理由は様々。
退職すること自体は全く悪いことではありません。
しかし、私の勤める会社でもそうなのですが、
「あの子、気づいたら勤務表から消えてたけど辞めたみたい。」とか
「今日で辞めますって言ったらしいよ。」とか
唐突に退職届を出していきなり辞める人が、入社して1~2年の若い社員に多いです。
相談しても、きっと辞めさせてもらえない、引き止められて終わりだと思う。
そのような思いもわからなくはありません。
なぜなら私も、ついこの間、長年お世話になった会社に退職を伝えたばかりだからです。
けれど、数年間でも所属した場所を辞めるとき、手順を踏まずにいきなり辞めるのは「社会人として少々非常識かな」と思うのです。
とはいえ、退職慣れしている人なんて、そうそういるわけありませんよね。
また、若手ほど、「仕事を辞めたいけれど上司の引き止めがキツそう」「できるだけスムーズに穏便に退職したい」などの理由で
退職代行サービスに相談・依頼する人も増えています。
今回は、円満に退職するために
どのようなタイミングで、どのような言葉で会社に伝えればよいのか
リモート勤務や、在宅勤務で退職の意思を伝えるコツ・注意点
など、私の体験も含めて詳しくまとめてみました。是非、参考にしてみてくださいね。
【例文】「退職します」上司への伝え方と切り出し方。リモート・在宅は?
退職することを決めたら、まずは、直属の上司に話をするのが筋です。
仮に、その上司が「あなたの退職の原因を作った張本人」だったとしても、直属の上司をとびこえて、さらに上の上司にいきなり退職の話をするのは良くありません。
直属の上司が、人づてで後からあなたの退職の話を聞いたとしたら、非常に心証が悪いですよね。
順番は大事!必ず、直属の上司から先に話をしましょう。
しかし、これがなかなか・・・。切り出すのは勇気がいる行動ですよね。
私も非常に躊躇した部分でもあります。「間違いなく引き止められる」と思ったからです。
切り出すときには、あらかじめ1対1で面談ができるようにアポイントをとっておくことをおススメします。
しかし、アポイントをとる際に、「今後のことで・・・」などと退職をにおわすワードを使うのはNGです。
など、いつもの仕事での相談事と同じように声をかけます。
1対1で静かに話せる環境をつくってもらい、本題はそのときになってから話し始めるようにしましょう。
【在宅・リモートワーク】上司に退職の意思を伝えるコツ・注意点
では、在宅やリモートワークの場合は、退職を切り出すときどうしたらよいのでしょうか。
退職の意思を伝えるのは、チャットやメールではなく「電話で話す」のがベストな方法です。
ですから、同じように落ち着いて電話ができる時間を確保するために、あらかじめメールなどでアポイントをとっておくことをおススメします。
などと、メールでは本題にふれないように注意しましょう。
【円満退職】上司に退職の意思を伝える「引き止めづらい」退職の理由
そして、予定通り上司と1対1で話せる場が確保できました。
さて、どのように話を進めるのがスマートな方法でしょうか。
実際、私は次のように話をしました。
- 退職の意思表示
- 退職の理由説明
- 退職時期の相談、引継ぎスケジュールの確認
まず、はっきりと退職の意思を伝える
この際、「迷っている」などというワードを使うのは、ひきとめられる要因になりますのでNGです。
退職は決定事項でゆるぎないものだ、という姿勢をみせることがポイントです。
私が話をしたとき、上司はまさに寝耳に水状態でした。
もし、アポイントをとる時に退職をにおわせてしまったら、上司側でも辞めさせまいとして対策を練ってきますから、話が進めにくくなるというわけです。
退職の理由を説明する
退職の理由(本音)は千差万別だと思いますが、
絶対に辞めたいなら会社側が一番引きとめづらい理由を挙げることです。
なぜなら、職場の人間関係のトラブルが原因なら「部署異動を提案される」でしょうし、給与面での不満があれば「待遇の改善を提案してくる」かもしれません。
上司が次の手を打てないような理由や、不可避の理由などを上げるのがポイントです。
会社側が引き止めづらい退職理由としては、
例えば、
- 結婚を機に家庭に入る
- 配偶者の転勤にともなう引越
- 家族のケア(育児や介護)など。
特に、家族が絡むプライベートでやむを得ない理由であれば、会社として引きとめることができません。
退職理由「スキルアップや異業種への転職」ポジティブな表現にする
また、スキルアップのためや別業種への挑戦などを理由にする場合は、
ポジティブな印象の言葉を選びましょう。
例えば、
といったような感じでしょうか。
次の就職先が決まっていて、言ってもさしつかえない場合には、
と伝えると、上司も退職を受け入れざるを得なくなりますので、ケースバイケースで上手に利用しましょう。
しかし、同じ業界や関連業界での転職であれば、またどこかで他のプロジェクトで顔を合わせる可能性もあります。
角が立たず、良い印象のまま退職をしたいですね。
退職時期の相談、引継ぎスケジュールの確認
円満退社を目指すには、退職の意思表示は、退職日より1.5ヶ月~2ヶ月前が良いとされています。
後任担当者を選定したり、引継ぎをしたりするのに十分な時間が必要なためです。
退職日に関しては、「〇月〇日に退職します。」と一方的に決めるのではなく、
というように、会社の業務の都合に寄りそう姿勢を見せるとベストです。
特に、次の転職先が決まっている場合は、そちらの意向も考慮しながら、フレキシブルに対応できるとよいですね。
在宅やリモートワークの場合、電話で退職を伝える際はお互いの表情までは伝わりません。
自分の意思が正しく伝えられるよう、声の調子や速さ、トーンなどに気を配り、会話が一方通行にならないよう、じゅうぶんに気を付けましょう。
上司や人事に退職届けを渡すタイミング・時間。朝一番や午前中
無事に直属の上司に退職の旨を伝え、承認されました。
次は、上司や人事部へ退職届を提出します。退職届は、必ずしも必要というわけではないです。
あなたの会社では退職届を書く必要があるかどうか、また会社独自のフォーマットがあるかどうかも人事部に確認したほうがよいでしょう。
また、退職届は退職日の1ヶ月前~2週間前までに提出するのが一般的です。
大規模な企業では手続きに時間がかかりますので、退職届をいつまでに提出するか就業規則に記載されている場合があります。
必ずあなたの会社の就業規則を確認して、そのスケジュールに従いましょう。
退職届は、受け取った時点で正式に受理される書類です。
そして撤回のできない書類です。
ですから、上司が忙しそうだから、といって黙って机の上に置いて帰るのは絶対NGです。
繁忙期は避け、業務にとりかかる前の朝一番か、午前中のあまり忙しくないタイミングを見計らって上司の席へ赴いて直接提出しましょう。
まとめ
会社にとっても、社員が辞めることは残念なことです。一人一人が他に代わりのいない重要な業務を任されている社員であることも非常に多いです。
その大切な一員が抜けるということは、会社にとっても大きな損害であること、また代わりの人員を確保することも簡単なことではありません。
たとえ、会社の問題点が改善されないから退職するような場合だったとしても、その点はよく理解した上で、退職までの手続きはひとつひとつ丁寧に踏んでいくのが社会人としてあるべき姿ではないでしょうか。
「立つ鳥跡を濁さず」という言葉がありますよね。
引継ぎなど業務の後始末をきちんとする事はもちろんですが、残る社員たちに悪い印象を残さず、美しい退職ができるとよいですね。