親の職業を聞かれたとき、ちょっと恥ずかしくて言いたくないな、と思ったことありませんか?
若いときにそのような気持ちになることは、けっして悪い事ではありません。
たとえば、父親が清掃公社のバキュームカーやごみ収集車に乗っていることを、小学生のころに同級生にからかわれた経験から、
それ以降、親の職業が恥ずかしいと思っている・・・・などという人は意外に多いものです。
その給料でご飯を食べさせてもらっていたことや、文句1つ言わずに働きつづけた親の姿に
感謝や尊敬の気持ちはあるのに、なぜか周りの人に知られるのは恥ずかしいと思ってしまうんですよね。
さらに、これから待ち受ける就職活動や、のちに直面するだろう結婚の際に、
親の職業が影響して不利になってしまう事があるのではないか、
と不安になりますよね。
ここでは、親の職業と子供のコンプレックスの関係について
それから現実問題として就職や結婚での影響について
くわしくお話していきたいと思います。
まず、親のキャリアや家庭での時間の量と質を調査したデータのなかに、
興味深いデータがあります。
というデータです。
この調査は、
という研究報告です。
もちろん、あなたやあなたのご両親を責めているものではありませんので、
どうか誤解なさらないでくださいね。
例えばあなたが、幼い頃に友達に父親の職業についてからかわれてしまったけれど、
お父様が毎日楽しそうに仕事をし、その話を家庭でよく話していた場合は、
あなたは、親や職業に対して前向きなイメージをもつことができる、ということです。
また、例えばあなたのお父様が弁護士だったとして
「弁護士で実績を重ねることこそが素晴らしいのだ」という強い思い入れを抱いていた場合、
あなたは職業選択において偏ったイメージを持ってしまう、ということなのです。
つまり、親がどんな仕事をしているか、ではなく、
親がどのような姿勢で仕事に取り組んでいるか、それをどのように家庭で表しているかということが、
のちの職業観やコンプレックスに影響する、ということがわかります。
婚活・結婚で親の職業は影響する?学歴・家柄重視の人(家庭)は難しい
では、婚活をする場合や結婚に際して
親の職業が影響する場合はあるのでしょうか。
まったく影響しない、というのが望ましいのですが、
残念ながら現実には、影響が出る場合があります。
その残念なケースは様々ですが、大きくわけて3パターンあります。
- 相手の家が旧家や地方の名家
- 相手の親に強い劣等感がある
- 相手の親が過保護・過干渉
相手の家が旧家や地方の名家
まず一つめのケースは、『家柄を重視する家系』です。
やはり旧家というのはどうしても、個人よりも家柄を重視します。
このような旧家は結婚において昔ながらの「家と家のむすびつき」を大切に考えるようです。
特に、地方で昔から権力を持っているようなおうちだと、その考え方が根強いことが多いです。
そういうご家庭は、たとえご両親が柔軟な考え方をお持ちで結婚に前向きでも、
祖父母や親戚の誰かが必ず茶々を入れて反対したりするものです。
しかし、そうやって先祖代々からブランドイメージを守り続けてきたからこそ、名家が名家のまま存続してきたことを考えると、その価値観を安易に否定することはできませんね。
相手の親に強い劣等感がある
二つ目のケースは、特に学歴を重視する家庭が多いのですが、
相手の親が強いコンプレックス・劣等感を持っているケースです。
自分や家族の職業・学歴に、何の不満もない人は、
職業や学歴で人を判断することはしません。
人間は、自分になんらかの強い劣等感があるから、人を差別してしまうのです。
残念ながら、これは誰にでも無意識に起こりうることで、
このコンプレックスはそう簡単には払拭できないのです。
相手の親が過保護・過干渉
三つ目のケースは、過保護で過干渉な両親の場合です。
このタイプは、幼いころから子供が失敗しないよう、転ばぬ先の杖を用意してきた親なので、
子供の人生に少しでも気がかりな要素があれば、排除しようとするのです。
本来なら、親の職業などは、成人した子供にとって関係のないはずです。
しかし、心配性な彼らにとっては、子供の結婚相手の両親の職業も気になるようです。
親の職業が婚活や結婚に影響することは少ない
言い方を変えると、以上のケースを除いて
ほとんどの場合は、親の職業が結婚に影響するということはないと思ってよいでしょう。
ご両親のお仕事、あなたのお仕事に誇りを持ってほしいと思います。
しかし、もしあなたが結婚を考えている相手がいらっしゃったとき、
その彼・彼女が、あなたのご両親の職業について、とやかく言ってくるようなことがあれば、
上記の3パターンのどれかに当てはまる可能性があります。
結婚の話は慎重に進めたほうが良さそうですね。
面接で親の職業を聞くのは違法?職業差別で禁止されるも罰則規定なし
次は、就職活動や採用面接に際して、親の職業が影響することはあるのでしょうか。
職業安定法第5条の4において、
職業面接の場で、親の職業や本籍地、宗教など
基本的に家族のプライベートな内容を尋ねることは禁止されています。
なぜなら様々な差別につながるからです。
たまたま雑談がはずんだ際に、面接官がそのようなことを尋ねてしまう場合もあるようですが、
採用・不採用の判断材料として親の職業を尋ねるのは違法です。
ただ、採用面接で親の職業を尋ねた事だけでは、罰則が科せられることはないようです。
もし明らかな職業差別が発覚した場合は、労働局から改善命令が出されます。
その改善命令に従わなかった場合に初めて、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる場合があります。
では、就職活動において、面接官に親の職業を尋ねられた場合、どのように対応するのが望ましいのでしょうか。
もちろん、尋ねることが禁止されているので、本来答える必要はないのです。
しかし、真っ向から「答えたくないので答えません。」と言うと
あなたの印象が悪くなってしまいます。
このような場合は、
「公務員です。」
「中小企業で営業をしています。」
など抽象的な表現で答えるのが無難です。
それでもなお深堀りしようとする面接官に関しては、
「なにか業務に関係するのでしょうか?」と
質問の意図を問うのも手段のひとつです。
なかには、「自分が採用した新入社員の父親がライバル企業の役員だった、ということがあってはお互いにやりにくいだろう。」
と考えて探りをいれているのかもしれない等、職務上の理由があるかもしれないからです。
まとめ
それにしても、世の中には親の職業を気にする人が意外とたくさんいることがわかりました。
あなたが、親の職業を恥ずかしいと思っていても、それはあなたのせいではありません。
現実問題として、婚活や結婚に関しては、不利になることもあります。
就職面接などでは、親の職業を判断材料にする事自体が違法ですので、あなたの就職で不利になることはほぼないでしょう。
もし、婚活や就活であなたの親の職業を気にして、それによってあなたのことを判断しようとする人がいたら、
肩書やステータスで人を判断する方もいるのだと気づけた
と前向きに捉えてみてはいかがでしょうか。
あなたの中身をしっかり見てあなたを評価してくれている人はいっぱいいます。
応援しています。