空地を活用して太陽光発電をしようと考え計画を進めていても、突然、近隣トラブルに巻き込まれてしまった…。
太陽光発電は、土地さえあれば設置に特別な許可は不要のため、隣地承諾も不要とされています。
しかし、規制がないことで、設置後に太陽光パネルによる反射光や騒音、電磁波などが原因で、近隣トラブルにつながってしまうこともあります。
裁判につながってしまった事例もあるので、設置には十分注意する必要があります。
こちらの記事では、
太陽光発電設置の規制の現状
近隣トラブルを回避するには?
について詳しくご紹介していきます。
太陽光発電 建築基準法・都市計画法の規制は?パネル設置に許可不要
最近では、太陽光発電の設備を設置した土地や家などを目にする機会も多くなってきましたよね。
自宅の近所の空き地だったスペースもいつの間にか、太陽光発電の設備が設置されていました。
太陽光発電の設備を設置する場合、
建築物の屋根に太陽光発電システムを設置するのか
土地に自立して太陽光発電設備を設置するかで、
建築基準法や都市計画法の取り扱いが異なります。
建築物の屋上に設置する場合は、
その建築物に電気を供給する目的であれば「建築設備」となるため、
建築基準法の規定に適合することもあります。
土地に自立して設置する場合は、
太陽光発電のメンテナンス以外に架台の下に人が立ち入らず、かつ、架台下の空間で移住、執務、作業、娯楽、物品などの保管、または格納その他屋内的用途に供さないものについては
建築物とされないため、建築基準法の対象となりません。
また、市街地や都市計画区域以外に設置するのであれば、
都市計画法の規制の対象にならないため、許可は必要ないとされています。
ただし、法律上の隣地承諾が不要だからと言って、近所の説明もいらないというわけではありません。
「やられたらやり返す」のような近隣トラブルが起きる可能性も無いとは言えないのです。
以下詳しくまとめます。
隣の建て替えで日陰に…太陽光発電の近隣トラブルを防ぐには?
また最近では、太陽光発電の設置後に、
隣接する土地の新築・建て替え等で日陰となり発電量が低下するトラブルも増えています。
あっちも何も言わずに設置したんだから、こっちも勝手にやるわよ。
やられたらやり返すじゃないですが、何の断りもなく設置した相手に対して「こちらも配慮する必要はない」と考えてもおかしくないでしょう。
逆に、普段からご近所付き合いを大切にされている関係であれば、家を新たに建てる際も、
隣の(既存の)太陽光発電に影響が少なく済むよう勾配や建て方を工夫しよう
など、近隣に配慮・譲歩しようとするものです。
こういったことからも、太陽光発電のパネル設置に関しては近隣の許可は不要ですが、前もって隣近所に説明することは大事です。
規制や法律上の問題がなくとも、お互いに思いやりを持って対応したいものですね。
裁判も!太陽光発電近隣トラブル事例 反射光・屋根の雪・騒音・電磁波
太陽光発電を設置する際は、近隣に迷惑をかけないためにも事前に周辺の状況などをしっかりと確認することをおすすめします。
実際に太陽光発電を設置したことで近隣トラブルとなり裁判になった事例も存在します。
特にトラブルの事例で多いとされているのが、太陽光パネルの反射光です。
反射光が眩しかったり、光によって夏場は暑さが増してしまったりすることで、
近隣トラブルへとつながることが多いとのことです。
太陽光発電を設置する際は、設置する方角などにも注意しましょう。
また、冬場は屋根に雪が積もることから、落雪による被害も心配されます。
太陽光のパネルは、普通の屋根に比べると雪が滑りやすいため、雪が大量に積もって、それが落ちてしまうと、近隣にも迷惑をかけてしまう可能性があります。
さらに、太陽光発電の動作音が騒音トラブルにつながったり、電磁波で体調が悪くなったと被害を訴えられたりすることもあります。
実際は、動作音もエアコンの室外機と同じくらいの音ですし、
太陽光発電による電磁波の体への影響は科学的根拠もなく、
電気カーペットよりも電磁波は低いとされています。
しかし、近隣の住民にとっては、今までになかったものが設置されるということで、気になる部分もあると思います。
ですので、事前にしっかりと近隣の方に事情を説明し、良好な関係を築いておくと、トラブルにつながりにくいでしょう。
まとめ
太陽光発電を設置する際は、隣地承諾やパネル設置の許可も必要ないことがわかりました。
また、建築基準法や都市計画法などの規制もありません。
しかし、近隣の方と反射光や騒音などの問題でトラブルにつながることもあるため事前に事情を説明しておくようにしましょう。
何らかの説明があるのとないのとでは、印象も違いますし、もし自分が近隣住民の立場なら事前説明があるととても安心します。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。