せっかく入った大学だけど辞めようか迷っている。
現状から逃げているだけだろうか・・・
わたしも昔そんな悩みを抱えていました。
結局わたしはその後思い切って中退しました。
そして、それ以降は希望の業界にとびこみ15年近くその仕事を続けて今に至ります。
「中退」という決断が、その後の人生を左右するかどうかは実はあなた次第だったりします。
中退した結果、のちの就職の際に不利になって後悔している人もいるでしょう。
中退したからこそ、新しい道が開けて希望を持って前に進めた人もいるでしょう。
どんなにその後成功を手にいれたとしても、
中退を考えたときの自分の気持ちに、なにか少しでも揺らぎがあったとすれば、
のちのちになって、必ず「あのとき~していれば・・・」というタラレバの気持ちがうまれます。
大切なのは、辞めたいと思う理由をきちんと自分で見極めることです。
あなたが、のちに後悔しないための、
決断の仕方や、考え方、周囲へのフォローなどをお話します。
大学中退は甘え?辞めたい理由や言い訳は「〇〇のせい」ではないか?
一般的に、中退を希望する学生の理由は、大きく4つにわけられます。
①経済的な理由(急に母子家庭になったなどの家庭環境の変化)
②精神的なものも含む病気やけが
③転学や留学など、ほかにやりたいものがある
④学歴不信や就学意識の低下
あなたの理由はこのなかのどれに当てはまるでしょうか。
もし、①~④のなかの理由が、あなたのなかで「〇〇のせい」と言い換えることができたら、
それはのちのちの後悔の種になってしまうでしょう。
例えば、単位をたくさんおとして留年してしまったとします。
理由の④に該当するでしょう。
じゃあ、なぜ単位をおとしたのかというと、アルバイトばかりしていたからだとしましょう。
これだけだと、「アルバイトのせい」と言い換えられます。
しかし、もしそのアルバイトが、自分がのちのち就きたい職業の下働きのようなもので、
興味があって没頭していたとしたらどうでしょうか。
これは単純に「アルバイトのせい」とは言い換えられない気持ちがうまれていますよね。
どちらかというと、③の理由に近くなっていますよね。
こういう場合は後悔しにくい傾向があります。
しかし、ここで注意してほしいことがあります。
「〇〇のせい」という後ろ向きな気持ちではないからといって、
短絡的に退学を選ぶのは危険です。
なぜなら、「中退」という経歴が、その後の働きたい職業の採用選考で不利になる可能性があるからです。(まったく不利にならない場合もあります)
まず他の選択肢も考えてみることが大事です。
例えば、インターンのように、現場での学びをすることでそれが単位として認められるような授業や制度がないかどうか。
もしくは、一年間休学して、本当にその職業が目指したいものかどうか考える時間をとることはできないかどうか。
などです。
特に「休学」に関しては、海外でも推奨されています。
英国には「ギャップイヤー」と言って、一年間の休暇をとって自分の好きな活動を行う制度が
あります。
このギャップイヤーを終えると、大学で学ぶ道や目的意識がはっきりして学業に打ち込めるのだそうです。
日本の大学でギャップイヤー制度が取り入れられているのは、わずか数校だけですが、
文部科学省は各大学機関に対して、
「大学等を休学してボランティア活動に参加する等、学びの複線化を理由に休学する学生に対しては奨学金の貸与を休止せずに、最大1年間貸与を継続すること」
を要請しています。
今の状況から逃げたい、とか、しんどいからやめたい、などのちょっとした甘えからくる
辞めたい気持ちも存在するかもしれません。
それがすべてダメだということではありません。
そういう時ほど、「休学制度」などを利用して、立ち止まってみることも必要です。
大事なのは今後の計画を主体的に捉えられるかどうかだと思います。
「○○のせい」と、原因を他のなかに転嫁している状態を脱出し、
「わたしはこうしたい。だから~~」という具体的な計画がたてられたならば、
「中退」を選択しても、のちのち後悔することはありません。
大学中退は親不孝?自分の人生は自分が決め、生涯責任を持つ
退学を考えたときに、まっさきに頭に浮かぶのは、親の顔ではないでしょうか。
大学の受験料や入学費用を払ってくれている親をがっかりさせることになってしまう・・・
自分は親不孝者だ・・・
そんな不安から、なかなか言い出せなかったりしますよね。
また、もし貸与型の奨学金を借りている学生は、大学を中退すると、まだ就職していないのに返済がスタートしていまいます。
経済的な基盤がしっかりできていないのに奨学金を支払わなければならないので、
親が負担せざるをえない場合だってでてきますよね。
親の立場からすると、子供には生活に不自由しない、安定した職業に就いてほしいと、
どの親も願っています。
やはり給与が高いとされている職種は、採用資格に「大卒以上」の条件がついているものです。
大学を卒業した、ということで就職の選択肢が増えるなら、中退せずに頑張って卒業してもらいたいと思うのが親心です。
かつて中退をしたわたしも、親になって、そのような気持ちは理解できるようになりました。
もちろん収入の高い仕事がすべてよい仕事とは思いませんが、
選択肢の幅がひろがることを考えると、親としては卒業を望むのは当然だろうな、というふうに考えは変わってきました。
しかし、親の人生は親の人生。子供の人生は子どもの人生です。
あなたの人生はあなたの人生なのですから、そこはしっかりと主体性をもって見据えることが
一番大事だと思います。
退学に際しては、保護者の同意書が必要です。
親に退学の相談をする場合、当然、親に反対されて激怒されることも考えられます。
当時わたしの親は、中退の相談をしたときに、我が子が信じられないという目で、
わたしを見ていました。
私が今後のことを熱く語ったら、黙って同意書にハンコを押してくれました。
後になって当時のことを尋ねたら、「なにを言っても無駄だろうなと思った」そうです。
退学後の計画、今後の生活費の見通し、奨学金の返済の事など、
どのように考えているのかを具体的にしっかりと話をすることをおススメします。
明確な目標を語れば、きっと理解してくれることと思います。
くわえて、入学金などを払ってもらったことへの感謝もきちんと伝えられるとよいですね。
こちらは「子供に大学を中退したいと言われて動揺している親御さん」に向けて書いた記事です。
自分が親になって初めて親の気持ちを理解できることもあったりしますが、よかったら合わせてご覧ください。
まとめ
大学中退に関して、後悔しないための決断の仕方をお話してきましたが、
これは大学を中退するかどうか、に限った話ではありません。
今後、人生の分かれ道にたくさん遭遇すると思います。
「○○のせい」にしない考え方は、そういうときに役にたちます。
原因を主体的に捉え、そのときそのときの選択に自信をもってください。
そして、その選択を後悔しないよう、あなたの人生は最後まで自分が責任をもつ!
そんな強い気持ちをもって、幸せに向かって進んでいきましょう。