少子高齢化がどんどん進んでいる現在。
親の介護だけではなく、経済的負担が子供世代にのしかかる時代になってきています。
一番困るのは「親が無年金」という状況です。
貯蓄があればいいのですが、例えば、貯金もない、年金収入もない、土地家屋などの財産もない、となると
子供がすべて支払いに応じなくてはなりません。
病気になり入院になると、必ず身元保証人が必要になります。
もし、入院費が支払えないとなれば、子供が代わりに支払いもしなくてはなりません。
介護サービスはどうなるでしょうか。
もちろん介護保険でまかなえる分はいいのですが、まかなえない部分は自己負担となり、直接家族の負担になってきます。
そこで今日は、
親世代との共倒れを避けるために必ず確認しておきたいポイント
について、詳しくお話ししていぎす!
まずは「本当に親は無年金なのか」再確認!
平成29年に年金制度が変わり、年金をもらえる人が増えました。
今までは25年以上の年金保険料の支払い期間が必要でした。
しかし、平成29年の改正により、10年以上の年金保険料を納めている期間があれば、年金給付が受けられることになったのです。
ですから、親は無年金とあきらめずに
年金の加入期間をきちんと調べることが、まず共倒れの第一歩です。
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無年金の親との共倒れを避ける手段!【世帯分離】とは?
でも、やっぱり年金はない、貯蓄もない、となったら、どうしたらいいのでしょうか。
子供たちは自分たちの生活で精一杯なのが現実です。
となると、何とか介護保険や医療費を抑えられないか、
または生活保護を申請するしかないだろうか、
という様々な問題が起きてきます。
そこで、チェックしたいのが【世帯分離】という言葉!
福祉サービスの基本は「世帯」で決まることがほとんどです。
同じ家に暮らし、生計を共にしていることとなり、それを「世帯」としています。
そこに収入がある、ない、年齢がいくつ、などは関係なく「世帯主」が必ず存在することになります。
高齢の親と暮らしている息子さんがいれば、
息子さんが世帯主となり、妻、子、母などが世帯を構成する人になりますよね?
福祉の制度は、この「世帯」のくくりで、
申請が受理される(されない)、減額がされる(されない)ということが起こるのです。
無年金の親と世帯分離するには引っ越し・同居の解消が必要?
世帯分離するには、同居の解消が必要になると考える方が多いと思います。
でも、引っ越ししなくても
役場で「世帯分離」の手続きのみで
同じ住所でも世帯を別にできる方法もあるのです。
なお、役所・税務署では、こういった裏技的な方法を積極的には教えてくれません。(税収・福祉に関わりますので)
まず、あなた自身が一通り、世帯分離に関する知識を得た上で、関係各所に相談に行くことをおすすめします。
▼世帯分離については、こちらの本が素人にもわかりやすくおすすめです。
自分は自分の家庭を抱えているので経済的には余裕がない、
こんなときは、福祉や社会保障、税金・法律サービスの全体像を知り、我が家にとって適切な手続きをすることで、共倒れを防ぐことができるのです。
世帯分離については、当サイト記事の後半でも、もう一度詳しく解説しますね。
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無年金の親の介護の不安→まずは地域包括支援センターに相談!
年金制度の改正にも当てはまらず、確実に無年金となる、そして貯蓄もない、その上に介護が必要になりそうだ、ということになったら
まずは地域包括支援センターに相談してみることをおススメします。
同居していても同居していなくても、介護という問題が起きそうだな、という気配があるとき、
一度家族が地域包括支援センターに相談に行くことは、これからの生活を考えていく上でもプラスになることばかりです。
地域包括支援センターとは、行政が担っているその地域に住む高齢者の介護にまつわる相談を受け付けるセンターになります。
様々な福祉サービスの紹介や、今後、介護サービスが必要になったときどんなサービスがいいのかなど、一緒に考えてもらえます。
もし、入院中であれば、病院に「医療相談室」が設置されていないか?確認してみてください。
相談員や医療ソーシャルワーカーがいれば、早めに対応策を計画することができます。
金銭的な不安があるときは、本当に早めに専門の相談機関、あるいは相談員に相談して、活用できる情報を得ておくことで共倒れを防げます。
無年金の親を扶養する余裕ない…ここで「世帯分離」がポイントに!
先にも少しお話しましたが、世帯を分離する、という意味はどういうことなのでしょうか?
介護サービスの自己負担額を抑えたいときに、世帯分離の手続きをとると、金銭的な負担を軽くすることができる場合があるのです。
現在、高齢の親と同居している場合は、同居していても(同じ住所でも)世帯を分けることができます。
また、高齢の親を引き取り同居することになりそうだ、となったときも
同じ家に引っ越して来ても、世帯は自分の家族と親とで分けられます。
そうすることで、ケースバイケースではありますが、介護保険の利用者負担が変わるのです。
介護サービスを利用しても
自分が支払わなくてはいけない上限の額が変わってくる、ということになります。
なぜなら、この自己負担額は、世帯の収入によって支払いの上限が決まっているから。
『高収入の人』がいれば世帯収入も高くなるため、自己負担額もそれに見合った金額になるのです。
そんなわけで、世帯分離は、
一定以上の収入がある人がいる場合には効果的といわれています。
今回のケースには入りませんが、
逆に、例えば
国民健康保険を利用している世帯で、収入が高い人が二人いて、その二人を世帯分離すると
一人ひとりへの国民健康保険料が高額となり、同一世帯の時の方が国民健康保険料が安く済む、ということも起こります。
医療に関する部分も世帯単位の計算となります。
なので、後期高齢者医療の保険料が安くなったり、医療費がある一定額以上かかった場合、
返金される高額療養費の払い戻し制度の限度額も変わってきます。
「わが家は世帯分離した方がメリットがあるかどうか?」については
先ほどご紹介したような世帯分離の基本を学べる本をまずは読んで、自分が知識を得てから、自治体や税務署などで、直接ご相談されることをオススメします。
まとめ
介護も医療も非常に経済的負担が大きく、貧困への入り口になりかねないことは、福祉の現場ではよく知られています。
だからこそ、
サービスの仕組みをよく把握して今から賢く共倒れを防ぐ計画を立てておくことはとても大切です!
高齢の収入がほとんどない家族を支えるというのは、非常に負担の大きいことになります。
共倒れしてしまっては、どうにもなりません。
親に何か起こってからではなく、福祉サービスや介護サービスを受ける前に、必要になる自己負担額や仕組みをよく知っていることが大切な時代になっています。
福祉や介護分野は、制度がよく変更されている分野でもあります。
ぜひ普段からニュースなどにもよく耳を傾けていてくださいね!