ミソフォニアとは、音に過剰反応する病気です。
たとえば、食べ物をくちゃくちゃかむ咀嚼音や、くしゃみ、鼻すすりなど
特定の音に対して耐えがたいほどの不快感を感じてしまいます。
場合によっては、相手に対して嫌悪感や怒り、殺意などが芽生えることさえあります。
その場にいることが苦痛になるので、集団生活を送れなくなる人もいるほどです。
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しかし、すべての人の音に反応するわけではありません。
中には、特定の人の音だけを不快に思う人もいます。
それが「家族にだけ」という場合もあるのです。
ただでさえ、認知度の低いミソフォニアは
周囲から「神経質」という言葉で片付けられてしまうことが多いです。
では、特定の人の音だけ、
家族だけに反応するミソフォニアは
ただのワガママでしょうか?
それは、大きな間違いです!
実は、家族だからこそ強い不快感を抱く
理由があり、ワガママとは別物なのです。
そこで今回は、
家族が気持ち悪い・嫌悪感の正体は、愛情・絆ホルモン「オキシトシン」
ミソフォニアは何科?精神科・心療内科・神経内科。耳栓・ヘルプマークで対処も
この2つについて、お話したいと思います。
家族が気持ち悪い・嫌悪感の正体は、愛情・絆ホルモン「オキシトシン」
家族に対して、気持ち悪いと思ってしまう原因は、
「オキシトシン」というホルモンが関係しているといわれています。
オキシトシンとは、愛情ホルモンと呼ばれるもので、人と人の絆を作るホルモンになります。
それは、一緒にいる時間が長いほどホルモン濃度は高くなり、
仲間意識や親近感、愛情を強く感じるようになります。
しかし、だからこそ生まれるマイナス面もあります。
たとえば、仲間意識が強くなりすぎると「許せない」ことが増えてくるのです。
他人がしても何とも思わない行動も、
家族だとイライラしたり、許せないといったことが起きますよね。
身近な人ほど、お互いに嫌な面が見えやすくなる…
夫婦間や、親子間の問題もオキシトシンが大きく関わっているのです。
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夫が手伝ってくれない、親が口うるさい、
子供は言うことを聞かない。
これは、愛情が湧くことで家族への期待値が高まり、
その反動で、自分の期待通りにならないゆえ「怒り」を覚えるのです。
このことが、ミソフォニアでも当てはまり、
家族の発する音にだけ嫌悪感を抱くことがあります。
家族に対するミソフォニアは、決してワガママではなく、家族であるが故のものなのです。
ミソフォニアは何科?精神科・心療内科・神経内科。耳栓・ヘルプマークで対処も
自分がもしミソフォニアかもしれないと思った時、
何科に行けばいいのかわからず、悩むと思います。
まずは耳鼻科に行き、聴覚過敏ではないかのチェックをしましょう。
ミソフォニアに似た疾患で、聴覚過敏症があります。
生活音が大きく聞こえてしまう聴覚異常の病気で、症状はミソフォニアと似ています。
一般的にミソフォニアは、身体症状を伴う精神疾患、または脳疾患の1つといわれています。
もし耳鼻科で聴覚に異常が無ければ、
精神科や心療内科、神経内科を受診しましょう。
ただ、ミソフォニアは治療法が確立されていない病気です。
どのようにして付き合っていけばいいでしょうか。
まず、必須アイテムとなるのが「耳栓」です。
周囲の音をシャットアウトすることで、
音に対する不快感がかなり軽減されます。
耳栓を使っていても、自分に話しかけられた言葉は聞こえます。
一方で、隣の部屋のゲームの音や、家族の咀嚼音、外で吹き荒れる風の音など
心がザワザワするような不快な音は、耳栓で遮ることができます。
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また、「ヘルプマーク」を身に付けることで、
周囲への人へ自分の状況を周知するきっかけにもなります。
ヘルプマークとは、目に見えづらい障害を持った人が、
「自分はこういう病気、障害があります」と表示するためのものです。
心の病気、発達障害など、周囲からは分かりづらい病気をもった人も
ヘルプマークを身に付けることで周知することができます。
ミソフォニアの場合もこういったツールを活用することで、
自分を守ったり周囲への理解につながるきっかけになると思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、家族にだけ感じる不快感、ミソフォニアについてお話しました。
特定の人物にだけ気持ち悪いと感じるなんて、
自分はただのワガママだと思ってしまうかもしれませんが、
決してそんなことはありません。
家族だからこそ、思うことがあります。
それは愛情や絆があるからこそのものなので、
決して自分を責めたりせず、家族に話してみましょう。
もちろん、残念ながら伝わらないこともありますよね。
そんなときは自分を守るために、耳栓やヘルプマークを活用してみましょう。