「小さいうちが貯め時!」なんて言われるけれど、実際のところは日々のやりくりでいっぱいいっぱいで、満足な貯金ができていない・・・・というご家庭は多いのではないでしょうか。
我が家も、3人の子供がみな未就学児のときに、
家を建てたり、子どもが増えて車を買い替えたりと大きな出費が重なったので、
「貯め時っていつ来るの?もしかしてもう過ぎたの?(笑)」という状態でした。
子供たちを全員希望する大学まで進学させてやりたい。
親である限りはみんなそう思っていることでしょう。
実際にまずは子供1人を大学までいかせるためには、費用はいくらかかるのでしょうか。
一般的な概算として(細かい数字は省きます)
小学校から大学まで すべて国公立だった場合は 730万
小学校から大学まで すべて私立だった場合は 2,100万
というデータがあります。
これは、3歳未満から保育園や認定こども園に預ける場合の保育料などは含みません。
また、医薬系の6年制大学の場合の学費や、自宅以外からの通学の場合の別途費用も含まれていません。
進学のための塾費用や、教材代も含まれていません。
純粋に入学金と授業料だけでかかる費用です。
「・・・・むりむり。ああ、考えたくない・・・。」
と、私は目を背けたい気分になってしまいましたが、まだ子供が小さいうちだからこそ
今後のマネープランを相談したり、見直したりできる期間なのではないでしょうか。
まず一番に頭にうかぶのが学資保険ですね。
学資保険に加入するとしたら、早ければ早いほどベストです。
なかには、妊娠6か月から加入できる商品もあります。
基本的にどの学資保険は、被保険者が6歳までなら加入することができます。
加入を後にずらすと、
- 毎月の負担額が大きくなる。
- 加入期間が短くなると、返戻率〈=満期で受け取れる割合〉が低くなる。
というデメリットがあります。
もし学資保険の加入を検討しているなら、子供がなるべく小さいうちがお得です。
しかし、学資保険は
- 近年返戻率が下がっている。(=満期で受け取れる割合が少ない)
- 基本的に満期までひきだせない。(入園入学のタイミングで小額ずつ受け取れるプランもあります)
- インフレに弱い。(=加入時と満期でお金の価値が変化している)
というデメリットがあり、近年では学資保険は加入せずに
「積み立てNISA」を利用する人も増えています。
「積み立てNISA」とは、
積み立て式の投資信託で、年間40万円までの投資枠で得た収益は非課税になる
という商品です。
少額ずつコツコツと長期運用するので、学資保険のデメリットをカバーしていると言えます。
ただし、子供の名前では口座が作れないので注意が必要です。
子供3人教育費シュミレーション!私立か国公立、塾や奨学金でこう変わる
ここでは、
第1子→女の子
第2子→男の子
第3子→女の子
と仮定してシュミレーションしてみましょう。
第1子のいちかさんは、国公立の小学校、中学校、高校に通いました。
大学では、残念ながら第一志望の国公立が不合格になってしまい、私立大学へ進学しました。
そこで、無利子貸与型の奨学金を4年間もらい、卒業しました。
5歳から12歳までの7年間ピアノを続けました。
大学受験を意識して、高校3年間は大手の進学塾へ通いました。
国公立小学校(6年間):1,933,860円
国公立中学校(3年間):1,435,662円
国公立高校(3年間):1,352,586円
私立大学(4年間):4,577,578円
これに、ピアノの月謝×7年間:672,000円
大手進学塾の授業料×3年間:1,440,000円
合わせて、12,113,527円となります。
そこから 貸与型奨学金(無利子・私立大学):月額54,000円×4年間を引きます。
(※習い事や塾にかかる費用は、平均的な額で計算しています。)
合計すると、8,819,686円!
約880万円です。
ただし奨学金2,592,000円は返済しないといけません。
それを含めるとすると11,411,686円
約1,100万円ですね。
第2子のこうじくんは、国公立の小学校、中学校に通いました。
小学校3年生からスポーツ少年団でミニバスケをやっており、スポーツ推薦でバスケットボール強豪の私立の高校へ進学。
大学は推薦枠で国公立の大学へ進み、大学でもバスケットボールも続けていたので、給付型のスポーツ奨学金を申請したところ審査に通り、4年間奨学金をもらいました。
国公立小学校(6年間):1,933,860円
国公立中学校(3年間):1,435,662円
私立高校(3年間):3,980,799円 (国公立の2.3倍)
国公立大学(4年間):2,486,301円
これに、小3から中3までの6年間のスポーツ少年団費用:330,000円
高校3年間でのバスケットボール部の費用(遠征試合含む):650,000円を足します。
(※習い事やスポーツにかかる費用は、平均的な額で計算しています。)
ここから、給付型奨学金(返済不要)の月額50,000円×4年間=2,400,000円を引きます。
すると、8,416,622円!
約840万円ですね。
第3子のななみさんは、国公立の小学校に通い、中学受験を経て私立の中高一貫校へ進学しました。
そこからは国公立大学を受験して、第一希望の国公立大学へ進学しました。
小学校の2年生から3年間お兄ちゃんの影響でいっしょにミニバスケに所属しましたが、6年生ではバスケットをやめ、中学受験のための塾に1年間通いました。
大学受験のときは、私立高校での特別補習や夏期講習などが充実していたため、塾には通わずに頑張りました。
国公立小学校(6年間):1,933,860円
私立中学校(3年間):3,980,799円 (国公立の2.8倍)
私立高校(3年間):3,120,504円 (国公立の2.3倍)
国公立大学(4年間):2,486,301円
これに、小2から小5まで3年間のスポーツ少年団費用:165,000円
中学受験のための塾1年間の費用:530,000円を足します。
(※習い事やスポーツにかかる費用は、平均的な額で計算しています。)
すると、12,216,464円!
約1,220万円です。
いちかさん約880万+こうじくん約840万+ななみさん約1,220万=約2,940万円
3人合わせてざっと2,940万円のお金がかかることがわかりましたね。
ここまで見てわかることが、奨学金の存在の大きさです。
現在、奨学金は、さまざまな団体が新しい奨学金を設定しています。
無利子なのか利子付なのか、4年生なのか短大なのか、自宅通勤なのか自宅外通勤なのか、貸与か給付型か、
など、さまざまなタイプがありますので、入念に調べることをおススメします。
塾費用も大きな負担になっているのがわかります。
一般的に、中学受験のための塾は値段が高い傾向があります。
高校受験、大学受験のための塾にもさまざまな種類・コース・料金設定がありますので、
何教科受講するか、個別指導か集団指導なのか、などよくよく検討することが必要です。
習い事やスポーツにかかる費用も、馬鹿にならない額です。
なんだか頭が痛くなるような事ばかりですね・・・・。
だからこそ子供が小さいうちに様々なお金の計画をたてる必要があるのですね。
多子世帯への補助金。医療費補助や保育料・高校の無償化、県営住宅の優先枠
子供が多いとお金がかかって大変・・・そんなマイナスな話ばかりではありません!
現在国をあげて少子化対策に取り組んでいますので、子育て世代へのサポート制度はだんだん手厚くなってきています。
特に多子世帯への様々な支援制度が充実してきているんですよ。
- まず、児童手当!
0歳から中学卒業まで支給されている補助金ですよね。
第1子第2子は(3歳以降)月1万円に対して、第3子以降からは月1.5万円が支給されています。
これを毎月貯金するだけでも、けっこうな額になり進学に必要なお金にまわせます。
- そして、ものすごく助かる子ども医療費助成制度!
これは各自治体で助成対象の年齢や助成額など様々なので、お住まいの自治体の制度を
よく確認されてくださいね。
小さい頃はほんとうによく熱を出したりして病院にかかります。
私の住んでいる自治体では、未就学児は無料、小学生中学生は200円で受診できるので
ほんとうに助かっています。
- 2019年から施行されている幼児教育・保育の無償化!
これによって年少クラス~年長クラスの子供にかかるお金は給食費や保護者会費用だけになりました。
ただし、3歳未満児の保育料は無償ではありませんので注意が必要です。
- 2020年からスタートしたばかりの
新しい高等学校等就学支援金制度(高校授業料無償化)!
こちらは、簡単に言うと、
世帯収入910万円未満の世帯が、公立高校なら11万8,800円/年
私立高校なら39万6,000円/年 支給される。
という制度です。
これによって、授業料のみ、実質0円ということになります。
しかし、支援金の手続きは入学後になるので、後払いになります。
それから、入学金や設備費、制服代、教材費などは今までどおり必要です。
ご注意ください。
- 子育て支援パスポート事業も全国で行われています。
これは、各自治体でさまざまなサービスを展開していますが、特に多子世帯へのサービスが手厚くなっています。
事業内容の例としては、
・県営住宅の優先入居許可制度、
・第3子以降の保育料(0歳~3歳未満)無料化、
・第3子以降の放課後児童クラブの無料化、
・公共施設の利用料減免
など嬉しい制度がたくさんあります。
お住まいの自治体で行われているサービスをよく調べて有効に活用したいですね。
まとめ
長々とみてきましたが、あなたのお子さんにどれぐらいのお金がかかるのかが
ざっくり把握できたでしょうか。
だいたいの額でも、把握していれば今から対策を練ることができますよね。
そして、お住まいの市町村でも様々な子育て支援サービスを行っています。
私の住んでいる市町村でも、「ほんと助かる!」という制度がたくさんあり、
第3子は特にその恩恵を受けて育っています。
子供が3人以上いる多子世帯がどのようなサービスが受けられるのか、詳しく調べて、
活用できるものはフル活用して、日々の子育てをがんばりましょう!